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遺伝子組み換え:花粉症緩和米を商業生産 
農水省は2日、スギ花粉症の治療に効果のある遺伝子組み換え米の商業生産が07年度にも実現する見通しとなったことを明らかにした。実現すれば、コメを含めて、食用の遺伝子組み換え作物の商業生産は日本で初めて。遺伝子組み換え米の本格的な商業生産も世界初となるが、遺伝子組み換え作物は、安全性や生態系への影響に懸念を持つ人もおり、商業生産解禁に向けて議論を呼びそうだ。
 この「花粉症緩和米」は、独立行政法人の農業生物資源研究所、日本製紙、全国農業協同組合連合会(全農)が共同開発しているもので、同省は、同米など遺伝子組み換え作物の実用化を支援するため、来年度落Zで45億8000万円を概算要求した。来年度に試験栽培を行い、動物実験や臨床試験で安全性を確認後、商業生産に入る計画だ。

 スギ花粉症は、アレルギーの原因となるたんぱく質を体内で外敵と認識し、鼻水や涙などの過剰反応が起こる。このたんぱく質を長期間、ごく少量注射して耐性を作る治療法が行われているが、花粉症緩和米では、この原理を応用。同たんぱく質を生成する人工遺伝子をイネに組み込むことで、コメのはい乳にこのたんぱく質が蓄積され、食べ続けると、アレルギー反応が起きにくくなる。

 農業生物資源研究所は、マウス実験で有効性を確認しており、人間にあてはめると、1日当たり1合(180CC)のご飯を数週間食べ続ければ効果が浮黷驍ニいう。

 花粉症緩和米は00年に開発に着手。現在は茨城県つくば市の同研究所の温室で試験栽培中で、来年度は同市内で他の農地と隔離した場所で、試験栽培を計画している。商業生産に踏み出す場合は、通常のイネとの交配を避けるため、五島列島(長崎県)などの離島で契約農家への委託栽培を検討している。

 農水省は来年度から最長5年間、安全性や栽培、加工、流通の仕組みを検討する。また、厚生労働省の食品安全性の審査を受け、花粉症緩和米の精米を健康への効果を侮ヲできる「特定保健用食品」として販売する方針だ。【尾村洋介】

 ◇遺伝子組み換え作物

 他の生物の遺伝子や人工の遺伝子を導入した農作物。米国を中心に、大豆やトウモロコシに病気や農薬などに強い性質を持たせた「第1世代」が開発・商用化されているが、安全性や環境への影響の懸念から日本の消費者には拒否反応が根強く、国内で商業栽培はされていない。このため、国内では花粉症や糖尿病の治療に効果があるなど消費者にメリットのある「第2世代」の開発が進んでいる。


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